2021年6月に読んだ本まとめ

 

こんにちは! minijumboです。

6月は自由時間と電車での移動が多くて、たくさん本を読めた。5冊! 過去最多!

これ以外にJavaScriptの勉強本も読んでるけどそれは省略。


そうそう、今まではネタバレしてるようなしてないような、中途半端で当たり障りないことだけ書いてたけど、この記事は本のオススメ記事じゃなくて感想をまとめておくものだから、今後はがっつりネタバレ有りで印象に残った部分を書いていくよ。



・島はぼくらと / 辻村深月 / ★★★★★

離島に住む4人の高校生と、周囲の人々の生活を描いた物語。離島の中のIターン受け入れ、医者の不在、古くからの慣習…こう書くとドキュメンタリー風に見えちゃうかもしれないけどそうではなくて、出来事一つ一つが登場人物の自分ごととしてしっかり結び付けられている。離島という舞台設定がありながらも、この本は最初から最後まで人と人との繋がりの話だった。

そんな中一番印象的だったのは、源樹という男の子のエピソード。小さい頃に両親が離婚する際、父と一緒に島に残るか、母と一緒に島を出ていくかを決める時に、好きになった子がいるからと島に残ることを自分で決める。そしてそれをずっと覚えている……いいじゃん。。

辻村深月の本って人物設定がすごく繊細で緻密だよね。違和感なく読み進められる。

んー。そろそろスロウハイツ系を攻めるか…。



・ニワトリは一度だけ飛べる / 重松清 / ★★★★☆

友達が転職記念にくれた本。ありがとうございます。帯コメントが「働くとは、人生とは。」だった。なるほどな(?)

話の内容は、左遷部署に集められた社員たちが、社内告発の中で一矢報いようとする話。単なる下剋上本ではなく、登場人物皆に屈折したところがあるのがミソ。

特に中川っていう若手社員は、社内での動きの意図はまったく意味不明なんだけど、基本的な行動理念が「妻と病気の娘のため」というシンプルな動機に行き着くのがちょっとおもしろかった。そのうえで話し方が独特など関係ない個性も残されててちょっと考える余地があった。ていうかストーリーよりも登場人物が個性的すぎるんよ。

でもって、登場人物の屈折した部分は伏線なのかと思いきや、回収されない要素も多くみえたのがちょっと残念だった。たとえばだけど、羽村はキーマンなんだけど基本的に嫌なところしか見えず応援できない。江崎の無能エピソードは放置? 鎌田の悪役ムーブの背景も不明。そういう所を削り落としてこそのテンポの良さなのかもしれない。別視点での話とかあれば読みたいな…。



・清須会議 / 三谷幸喜 / ★★★★☆

図書館で見つけたので借りてみた。僕は歴史モノを読むことはあまりない(高校で日本史選択じゃなかったこともあり歴史に疎い)んだけど、三谷幸喜の本ってだけで面白いのかなって思って手に取った。

ちなみに三谷幸喜の本を読むのは初めて。別にネタ祭りでゲラゲラ笑う感じではないんだね。

面白かったところはやっぱり柴田勝家のモノローグパートだな。「清須会議」は、織田信長の死後に後継者を決めるための会議なんだけど、丹羽長秀や羽柴秀吉がそれぞれ、織田家のため、天下のためと策を講じる中、柴田勝家は「お市様の期待には応えなければならん」だもんな。戦が強いけど頭脳戦はイマイチ、でも本人はそこに鈍感…。柴田勝家がダマされた後もそれを把握せずいい気になってるシーンはなかなか面白かった。

暇つぶしとして読むのにはちょうどよかった。似たような本があればまた借りてみようと思う。



・ロマンス小説の7日間 / 三浦しをん / ★★★★☆

小説の翻訳を仕事にしている女性・あかりが主人公の恋愛小説。突然会社を辞めてきた彼氏に困惑して、それに影響されて翻訳作業が次第に創作になっていき…みたいなお話。翻訳(創作)されたほうのストーリーも全編読める。一度で二度美味しい、じゃないけどなんか新鮮だった。

ストーリー(現実のほう)は終始あかりの一人称視点で進む。ひたすらあかりの心情と行動に寄り添う話。小説のヒロインには、問題に直面したとき突飛な行動をたくさんさせるけど、現実のほうでは色んなことを考えながらも最後はなりゆきに任せる(彼氏が海外に放浪に行くのを止めない)…っていう対比的なところが主題なのかな。分かるような分からないような感じだったけど、でも空想して気が済むって確かにあるあるだよね。あんまり平たい話に落とし込まないほうがいいか。


ちなみにこの本を読んだのは、母親から三浦しをんの別の本(愛なき世界)をおすすめされてたけど図書館になくて、代わりに借りてきたっていう経緯がある。本命の本はまだ探し中。



・その日、朱音は空を飛んだ / 武田綾乃 / ★★★★★

高校生の飛び降り自殺をめぐって、関わる(関わらない)生徒たちの心の動きを描いた小説。

ダークな青春モノとしてなかなか読み応えがあったし、ミステリー要素も入っていてすごく面白かった。最後には死んだ朱音本人視点で書かれた章もあり、何を思って自殺したのかの答え合わせができる。

ちなみに武田綾乃は「響け!ユーフォニアム」の作者さん。ユーフォのアニメを気に入った人なら、ユーフォの小説版(原作)も、この小説も気に入るんじゃないかと思う。


特に気になったキャラクターは夏川莉苑。彼女はこの本の探偵役であり、ゲームマスターだった。探偵といっても朱音の死後に謎解きをするのではなく、朱音が死ぬ直前に今から起ころうとしていることをすべて理解し、そのうえで真相を握りつぶしてしまうのだ。

普段は完璧に理性で感情をコントロールできているのに、一番重要な場面では復讐心に動かされて、朱音が死ぬのを止めないどころか本人の目の前で手紙を破り捨ててしまう。

その行動は一見異常なんだけど、でも「復讐するなら生きているうちに」という行動理念に従ってるわけで、一種の正しさがあるんだよな。結局復讐を実行しちゃうところがなんとも恐ろしい。

というか莉苑のおばあちゃんの教え、僕結構好きだな。世界は生きている人のためにある。



はい、今月読んだ本の感想は終わりです。

来月からは新しい会社で働くことになる。出社する日は往復2時間の通勤時間があるので、電車の中で小説をガンガン読んでいきたい所存。図書館の利用カードも作り、Kindleも買ったので準備は万全!


あとはハードカバーのビジネス本の積ん読をどうやって崩すかだな…。


※現在の積ん読:8冊

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