2022年4月に読んだ本まとめ
こんにちは! minijumboです。
しばらくスーパーカブの記事しか書いてなかったけど。今回はひさびさに別の話題。
4月分の積ん読消化記事です。
4月は7冊! 今年の通算は26冊になりました。
うつ病九段 / 先崎学 / ★★★★★
プロ棋士である筆者がうつ病になり、1年間闘病した際の出来事を綴ったエッセイ。
有名な方で、僕も名前だけは知っていた。
これは娯楽抜きで読んでよかったと思った本だった。
僕は大学で臨床心理学をかじっていたので、いわゆる「うつ状態」については実感の伴った理解があるけれど、診断のつくうつ病については全然理解が浅かったわ。
「うつ病は死にたくなる病」なのであり「うつ病は心ではなく脳の病気」なのだそうだ。
たんに憂鬱の延長線上ではないのだね。自分の誤解に気づくことができてよかったよ。
筆者の実際の苦労は想像に余りあるけれど、それを淡々と文章にできる胆力と表現力にも圧倒されてしまった。
ガラスの麒麟 / 加納朋子 / ★★★☆☆
ある通り魔事件にかかわる人々の群像劇。
刺された女子高生の友人とその親、保健室の先生、そこから繋がる過去の卒業生…。
殺人の謎が少しずつ解き明かされていくのは楽しかったけど、最後の最後でちょっとついていけなかった。ので感想も薄め。
天国はまだ遠く / 長澤雅彦 / ★★★☆☆
自殺のため見知らぬ山奥に来たはずだった主人公が、たまたま入った民宿で長居し、少しずつ再生していく物語。
展開としては普通かなぁ。
あとがきを読む感じ、作者は実体験をもとに但馬の風景を描きたかったようだ。確かにやけにリアルだなとは思ったw
冷たい校舎の時は止まる 上-下 / 辻村深月 / ★★★★☆
辻村深月のデビュー作。
雪が降る校舎に閉じ込められた8人が1人ずつ消えていくミステリー小説。
ミステリー・推理系にしては心情描写が多い、名字トリックが出てくる等々、辻村深月のオリジナリティが詰まった作品だった。
この作品が美味しい「素うどん」で、後から出た他の作品は更に色々トッピングが載ってる感じ。
登場人物が校舎から消える前、各々の回想シーンが挟まる。
そこで、なぜ主人公ではない1人(菅原)の回想シーンだけ異様に長いのか? までは思い至ったのにその先に気付かず。ちょっと悔しかった笑
かがみの孤城 上-下 / 辻村深月 / ★★★★★
不登校の子どもたちが、自室の鏡から行き来できる不思議なお城に集まり、1年を過ごす話。
ティーン向けと思われるけど26歳の僕も惹き込まれちゃった。
登場人物それぞれに、学校に行かなくなった理由がある。
主人公(こころ)の身に起こったことは悲劇ではない。他人に向けられた悪意を避けられず受け止めてしまうことなんて誰にでもあって、ただそれによって深く傷ついてしまうことがある…。
その出来事と気持ちの描写がすごく繊細で、よく分かっちゃった。
それでね、ところどころに「うーと声が出た」みたいな描写があるのよ。単に「嗚咽が」、とかじゃなくて。文字だと「うー」なんだけど、その苦しみのニュアンスが分かる気がして、読んでるこっちも苦しかった。
他の辻村作品のように登場人物が年齢の割に頭良すぎたりしなくて、バランス良い。謎解きの難易度も比較的低めだと思う。それでいてラストは感動。スロウハイツと並んで人気あるわけだ。本当に良い本だった。オススメです。
はいというわけで、4月の積ん読消化記事でした。
5月は司馬遼太郎の長編に手を出そうか考え中です。
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