2021年9月に読んだ本まとめ
こんにちは! minijumboです。しばらく更新が空いてしまいました。
9月は仕事に追われてたら終わってしまったよ。そんな中でも読書は順調。9月は7冊読んだ。
さっそく感想、いってみましょ。
・冷たい方程式 / トム・ゴドウィン他(伊藤典夫訳) / ★★★☆☆
たまには外国の本も読んでみるかーと思って、図書館で適当に見つけた訳書を手にとって見た。中身は短編集で全部SF。
SFって、やっぱりストーリーの意外性みたいなのを楽しみながら読むのがいいと思うけど、僕は普段群像劇ばっかり読んでるから、登場人物の心情よりも話の展開を楽しむ、みたいな頭になってなくて、ちょっと読み方を間違えてしまった感がある。結果、まぁこんなもんか、という感情で読み終えてしまった。
そういえば僕の中でのSF読書歴って星新一のまま止まってるんだよな。
(『凍りのくじら』はSF? 異能モノも入れていいならラノベの『ココロコネクト』はめっちゃハマってた)
訳書はしばらくいいとして、SFはちょっと探してみようかなぁ。
・ぼくは明日、昨日のきみとデートする / 七月隆文 / ★★★☆☆
ぐうぜん図書館に置いてあるのを見つけて、タイトルだけ知ってるなぁと思って借りてみた。かなりライトな文体ですぐ読めた。
個人的にはこういう切ない系の恋愛ストーリーは好きではある。ただ、途中すごく重大なネタバレがあるんだけど、それが分かったら「あーなるほどそういうことね」ってなって特に意外性はなかった。タイトルで不思議さを出してるけど読んでみたらタイトルのまんまやん!っていうね。別にそれでいいんだけどちょっと物足りない感。
・今日、きみと息をする。 / 武田綾乃 / ★★★☆☆
これは図書館で予約して借りた。武田綾乃のデビュー作で、高校生の三角関係を描いた物語。男の子は女の子が好き。女の子は、もう一人の男の子が好き。その男の子は、、、
1~3章は3人それぞれの視点から、好きな人への想いやバックグラウンドが分かる。3人分の人物像が深く掘り下げられたうえでの告白シーンが4章。でも、それまでの情報量が多すぎて、ラストはちょっとついていけなかった。。
でも、いろんな情報があるけど伏線としては拾われたり拾われなかったりする、っていうのはある意味リアリティあるね。各々たくさんのことを考えて生きてるけど大半は伝わらなかったりとか。あと宮澤の面倒くさい好きの感覚とか結構わかっちゃう。
そうそう、武田綾乃のWikipediaに、「好きな作家として綿矢りさ、辻村深月の名前をあげている。中でも『蹴りたい背中』と『凍りのくじら』に一番大きな影響を受けた。」って書いてあった。
僕は武田綾乃も辻村深月も好きだし、どちらも複数の視点からの話を織り交ぜていく群像劇スタイルが得意な作家さんだ。武田綾乃の方がちょっと毒味が強い気がするけどな。
凍りのくじら(あれは群像劇じゃなかったけど)は僕もすごく好きな本なのでちょっと親近感。蹴りたい背中も気になったから、図書館で予約入れといた。
・蹴りたい背中 / 綿矢りさ / ★★★☆☆
↑で気になったから早速読んだ。後味がもやもや…。でも書かれてる話は分かる!ってなった。
学校で孤立してるけどアイドルに夢中で日々楽しそうな男の子と、同じく孤立してるけどその男の子を見て優越感を持っている女の子の話。
生理的に無理な人だけどなんか気になっちゃう、失敗するところを見たいなと思っちゃう、そんな気持ちを持つことってあるよね。。
僕くらいの年齢であれば、自分の優越感を満たすためだけの関わり方をしちゃいかんと自制して距離を置くことができるだろう。僕もできてるはず…。でもこの本の主人公はまだ高校生だから、蹴りたい背中があると蹴っちゃう(しかも2回も)のは仕方ないかもね。
感想として言葉にするのは難しいけど、書かれてることはだいぶ正確に共感できたと思うので、僕とこの本の相性は良かったんだと思う。あと武田綾乃がこの本の影響を受けてるってのも何となく分かった気がする。
・水族館ガール / 木宮条太郎 / ★★★★☆
これは図書館でたまたま見つけた本。公務員をしている主人公の女性(由香)が、突然水族館職員への転属を命じられ、何も分からないままイルカのトレーナーとして奮闘する話。水族館の裏側が描かれていて面白かった。僕、最近お仕事モノの小説を読みがちかも。
基本的には、水族館の様々な業務に関わりながら、由香と先輩トレーナーの梶とが距離を詰めていく…というもの。業務のほうは本当に色々なイベントが起きて面白いんだけど、先輩と距離が縮まっていく描写が夢頼み(夢に先輩が出てきて、先輩の夢にも…)っていうのはどうなの?笑 本題に据えるにはちょっと扱いが雑なのではないですかね…。
と言いつつ、今月読んだ本の中では面白い方だった。続編が7巻まであるらしいので、飽きるまでは続きを読んでみることにする。
・子どもたちは夜と遊ぶ(上) / 辻村深月 / ★★★★☆
今月の辻村深月本。笑
今回は大学を舞台にした殺人事件の話。いや、めっちゃ人死ぬやん…。辻村深月の作品でこんな血腥いのって他にある?
しかも2人組の犯人であるiとθのうち、読者にはθの正体だけが序盤で分かるというちょっと特殊な展開。でもiの正体は、読者も分からないしθさえも知らない。θが逃げ切れる(どんな結末を迎える)のかと、残りのiは誰なのかを気にしながら読んでいくことになった。面白いね。
あとθ(浅葱)とともに主役ポジションにいる月子にも謎が多い。月子は孝太って人と付き合ってるんだよね? 謎というか本編の一文目からして叙述トリックだった。それはズルw
・子どもたちは夜と遊ぶ(下) / 辻村深月 / ★★★★☆
まず目次で分かる最後の章タイトルが「月子と恭司」。これネタバレではないんだよね?と気にしながら読み始める。月子は主役だけど、恭司は脇役も脇役。なんで最後にその2人の話になるのか全然予想つかない。てことはiが恭司なんじゃ…と思いながら読んでたけどこれはフェイクで、最後まで予想外の展開だった。
おぉ、となったのは、殺人事件のいわゆる「謎解き」が臨床心理的な観点から進められていたこと。防衛機制とか解離とかね。そういえば辻村深月って教育学部卒だったな。心理学を専攻されてたのかもしれない。(ちなみに僕も大学では教育臨床心理学ゼミ所属だった)
ストーリーとしては最初から最後まで濃密で、登場人物それぞれの内面が深く描かれていて食い入るように読んでしまった。ただ心理的な描写が多い反面、サスペンス的な描写はかなり薄かったかな。具体的に言うと警察の捜査がザル。もちろん話の主題がそこじゃないのは上に書いたとおり。
あと月子に関する叙述トリックはマジでズルww
最後に、本の最後についてる解説がものすごくコンパクトかつ的確ですげぇってなった。(自分では半分くらいしか読めてなかったなって思った)
というわけで、9月の積ん読消化回でしたー。
※現在の積ん読:12冊
積ん読消化と言いつつ、図書館で借りた本しか読んでないので積ん読は先月から全く減っていません。
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